事業レポート

レポーター・ほんだゆかりがキニナルスキニナルプロジェクトを実際に
体験!会場の様子を写真とレポートでご紹介します!
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フォトモって?おもしろ工作で町並み復活

フォトモで復元!むかしの静岡
文=ほんだゆかり
写真を素材にした立体模型だから、フォトグラフ+モデルで、フォトモと呼ぶ。
美術家・写真家の糸崎公朗さんが名付けた手法で、写真に写った建物や人物を切り抜いて台紙に貼り付け模型を完成させる。実物(立体)→写真(平面)→フォトモ(立体)の手順で、素材を再構築して作品を作り上げるユニークな手法だ。
平日の昼間に開催のワークショップということで、参加者の平均年齢は少し高め。雑誌に連載されていた糸崎さんの作品のファンだったり、展示を見たことがあり「やってみたい」と、参加した人が多かった。今回のワークショップはフォトモの応用である“復元フォトモ”という手法だ。過去に他人が写した写真、1950?1960年代の静岡の町並み写真や、久能山東照宮350年祭(1969年)当時の絵ハガキなどを素材に、立体のフォトモを製作する。
おのおの気に入った写真を素材に選んだが、作り方は一通りではない。糸崎さんのアドバイスのもと、折り曲げる場所、切り抜く人物や構造物、貼り付ける場所、ひとりひとりオリジナリティを発揮して、コツコツ作業を進めていく。「これ、清水の駅前かな?」「たぶん、あの坂じゃないか?」、50年ほども前の風景に“今”の手がかりを求めて、声をかけあったり、「おー、いいですなぁ」「細かいですね」と作品を見せ合った。こうして仕上げた作品は、静岡市美術館で開催される「国宝・久能山東照宮展」に、糸崎さんの手による作品“復元フォトモ”が展示されるのにあわせ、葵タワー1階ロビーに飾られることになっている。
ワークショップ2日目は、ケースに収まり展示された作品「ケースに入れると雰囲気が違う!」皆さん、ちょっと恥ずかしそうで、嬉しそう。
通りすがった人が、しげしげと見入っていると、恐縮しきりだったり。その後、美術館学芸員の解説を聞きながら「国宝・久能山東照宮展」を見学。糸崎さんの作品、大正時代の東照宮などを素材とした復元フォトモの展示コーナーでは、その精巧さや配置の工夫、面白さに話が尽きず、大いに盛り上がった。
生涯学習センターと美術館を横断して行われたこのワークショップ、制作体験だけでなく、作品の展示、美術館見学など盛りだくさんで、とても有意義だったと思う。参加者たちは美術館・久能山東照宮をバス・ロープウェイで周遊できる共通チケットで入館しているので、久能山東照宮を訪れて、フォトモで復元した実際の建物を見に行ってもらえる。こんなに「お得」な企画なので、もう少したくさんの人に体験してもらえると、より良かったかも知れない。

ほんだゆかり

新聞編集や広告制作を経て、地元メディアで地域ポータルサイトの設計や運営に携わる。イベント主催、ビジネスプランコンテスト入賞、NPO設立アドバイザー、蕎麦食文化研究員、キモノdeおでかけ、ロードレーサー乗り等々。好奇心と行動力が尋常でない。
事業名 フォトモで復元!むかしの静岡
日時 2014年10月2日(木)、9日(木)
※作品展は10月2日(木)〜11月16日(日)
会場 静岡市南部生涯学習センター
概要 静岡市美術館の「国宝・久能山東照宮展」に関連し、久能山350年祭当時の絵葉書や古写真を題材に、写真を切り貼りして、懐かしい静岡の姿を立体的に組み立てるワークショップ。
講師 糸崎公朗氏(写真家・美術家)

静岡市葵区御幸町4-1アーバンネット静岡ビル4階 TEL:054-255-4746
土・日・祝日を除く日の午前8時30分〜午後5時30分まで
静岡市文化振興財団は本年設立20周年を迎えます。これを機に市民の皆様にさらに愛され親しまれる財団を目指し、当財団が管理運営する文化施設・生涯学習施設が連携し、「キニナルスキニナルプロジェクト」を実施することと致しました。 子どもから大人まで幅広い世代が参加でき喜んでいただけるように工夫をこらし事業を行いますので、皆様のご参加をお待ちしております。
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