事業レポート

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時が紡がれ時代に変わる。
400年の節目に立ち会えた幸運を、しみじみ感じる企画展

徳川家康公顕彰400年記念事業
国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝
文=ほんだゆかり
1616年に家康公が亡くなって400年。同じ年にシェイクスピアも没している。静岡駅のマクドナルド前の東照宮記念塔は、大正4年、300年祭の時建てられたらしい。久能山東照宮に、貴重なお宝がたっぷりあるらしい。これまでどれも知らなかった。
「国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝」は国宝2件9点、重要文化財37件はじめ、里帰りした名宝も含め、110件余りを展示した。徳川家康以後、東照宮としての久能山を扱った第一章と、はるか昔、推古天皇のころに開かれた「久能寺」を紹介した第二章に分かれ「えっ! 元々お寺だったの?」と、まず驚く。
霊山として崇拝されていたこの地に「久能寺」が開かれたのは1400年ほど前。平安時代には、300以上の建物が立ち並び、高名な僧侶が訪れ、皇族・貴族との交流も盛んだった。450年前に険しい地形で、敵の攻撃を防げると、武田信玄が寺を移動して「久能城」を築く。そして400年前、家康の遺言により「東照宮」が造営された。明治になると、山岡鉄舟が移された久能寺を改名・復興し、いまは鉄舟寺となっている。
平安後期、平家一門が納めたともいわれる国宝「久能寺経」は、みどころの一つ。鉄舟寺所蔵だが、東京国立博物館に寄託されているため、静岡ではほとんど展示されることがないからだ。
貴重な品々という点では「第一章 駿府の大御所・徳川家康と久能山」コーナーも負けてはいない。壮観なのは、歴代将軍15人分の甲冑や兜の揃い踏み。400年を記念して、初めて実現した光景だ。ほかにも、東照大権現(神様になった家康)用の特別な衣装、徳川家伝統の名刀、2メートルにも及ぶ巨大な金ぴか扇の馬標(うまじるし)、関が原の合戦で着ていた鎧、スペイン国王から贈られた時計などなど、めったに見られない珍しい名宝が目白押しなのだ。身近な久能山東照宮博物館には歴史とロマン溢れる品々が、2000点以上も所蔵されていることに、また驚く。
中には、紀州東照宮や法隆寺などから拝借しての展示品も。門外不出の貴重品が展示できたのは、家康の遺命で建てられた「最古の東照宮」の400年記念展だからこそ。
きっと、次回に貸してもらえるのは、100年後?!かもしれない。見逃せない貴重な展示品の数々に、久能山東照宮の真価がみてとれ、圧巻だった。展示終了後のレポート記事で「見逃せない」って書くのも何ですが、見ましたよね?行ったでしょ?
最後に、美術館、久能山東照宮を周遊できる共通チケットの企画がとてもよかった。観覧、拝観、博物館入場、バス・ロープウェイのチケットを綴りにして割安で販売した。美術館でたっぷり名宝に浸って、時代に思いを馳せたあとは、やはり久能山に登り、墓前に立って家康公に語りかけたくなる、感動の先を見越されていた。

ほんだゆかり

新聞編集や広告制作を経て、地元メディアで地域ポータルサイトの設計や運営に携わる。イベント主催、ビジネスプランコンテスト入賞、NPO設立アドバイザー、蕎麦食文化研究員、キモノdeおでかけ、ロードレーサー乗り等々。好奇心と行動力が尋常でない。
事業名 徳川家康公顕彰400年記念事業
国宝・久能山東照宮展 家康と静岡ゆかりの名宝
日時 2014年10月4日(土)?11月24日(月・祝)
会場 静岡市美術館
概要 家康遺愛品の重要文化財「洋時計」や、歴代将軍の武具、久能寺(現:鉄舟寺)に伝えられた国宝「久能寺経」など、国宝2件9点、重要文化財37件を含む、約110件を展示。久能山と静岡が築き上げてきた歴史・文化を紹介。

静岡市葵区御幸町4-1アーバンネット静岡ビル4階 TEL:054-255-4746
土・日・祝日を除く日の午前8時30分〜午後5時30分まで
静岡市文化振興財団は本年設立20周年を迎えます。これを機に市民の皆様にさらに愛され親しまれる財団を目指し、当財団が管理運営する文化施設・生涯学習施設が連携し、「キニナルスキニナルプロジェクト」を実施することと致しました。 子どもから大人まで幅広い世代が参加でき喜んでいただけるように工夫をこらし事業を行いますので、皆様のご参加をお待ちしております。
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