事業レポート

レポーター・ほんだゆかりがキニナルスキニナルプロジェクトを実際に
体験!会場の様子を写真とレポートでご紹介します!
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材料調達から仕上げまで、たっぷり体験!漆塗り竹スプーン完成です

自然観察と竹スプーンづくり 〜静岡の竹と漆を考える〜 A竹スプーンづくり
文=ほんだゆかり
有度山自然観察会で調達した竹板を加工して、自分だけの漆塗りスプーンを作るワークショップ、全3回。1回目は、自然観察しながらの山歩きと、参加者が協力して竹を切り倒し、材料の板を調達した。2回目は、乾燥させた竹板を糸ノコでスプーンの形に切り、口に入れる部分や湾曲した柄の部分を彫刻刀で削った。加工の仕上げと漆塗りを行う最終回、作業指導の静岡北特別支援学校南の丘分校・高森教諭と教え子たち、小学生から年配の方まで幅広い年代の参加者が集う会場へお邪魔した。
前回、彫刻刀で削ったスプーンを、同校生徒たちが学校の電動サンダで磨いてくれたところから作業はスタート。機械では行き届かないスプーンの端の厚みや、柄の角などを布やすりを使い、手作業で滑らかにしていく。乾燥した竹は硬いようだが、集中して削り、手触りを確かめると、はっきり滑らかさが違うそうで、皆さん集中して、45分ほど、もくもくと作業。その間、高森教諭は、一人ひとり丁寧に回って削り方や、やすりの角度など丁寧に指導していく。
それぞれ、個性的な形のスプーンが仕上がると、次は漆塗りの課程へ。漆は、乾いていない状態で肌に触れると、ひどいかぶれを起こすため、二重に手袋のうえ専用ケースの中で、筆を持ち塗る塗り方レクチャーをはじめ、その「漆かぶれ」のいろいろや、今川時代から続く「駿河漆器」の伝統、極彩色・漆塗りの浅間神社や久能山東照宮、両社殿建立のため集められた職人が定着し、静岡市で育まれた漆文化まで、高森教諭のお話が興味深かった。
完全防備をして、口に含む部分と柄、二度に分けて漆を塗る。厚すぎるとシワシワになってしまうそうで、漆塗りは、なかなか緊張感と集中力のみてとれる作業。塗り台の待ち時間には、生徒たちによる竹のお話&クイズやワークシートが用意され、会場の静岡科学館る・く・るで開催されている「しずおか自然体験ミュージアム」の見学もできて、楽しみと知識を得られる、盛りだくさんなワークショップだった。秋に歩いた
里山、竹の切り倒し、工作体験、竹の生態、伝統工芸の歴史。多彩な体験と情報に触れた参加者に「竹加工や漆塗りの技術に触れる人が増え、全国的にみても激しい地域の竹害を意識してもらえたら」高森教諭の想いが届いたに違いない。
さて、漆を乾かす方法をご存知だろうか?なんと、蒸気をあて保湿することで“乾き”あの輝きとツヤが出るのだそう。
作業が終わったスプーンは、2週間乾燥してから、参加者の手元へ。時間も手間も、たっぷりかかったスプーン、手にした瞬間の嬉しさはひとしおだろう。

ほんだゆかり

新聞編集や広告制作を経て、地元メディアで地域ポータルサイトの設計や運営に携わる。イベント主催、ビジネスプランコンテスト入賞、NPO設立アドバイザー、蕎麦食文化研究員、キモノdeおでかけ、ロードレーサー乗り等々。好奇心と行動力が尋常でない。
事業名 自然観察と竹スプーンづくり 〜静岡の竹と漆を考える〜
A竹スプーンづくり
日時 2015年1月18日(日)、2月1日(日)
会場 静岡科学館る・く・る
概要 静岡市美術館と静岡科学館る・く・る企画展「しずおか自然体験ミュージアム」の連携事業。有度山の自然観察と、本漆で仕上げる竹スプーンづくりを通して、静岡の自然と文化を知るプログラム。
講師 静岡県立静岡北特別支援学校南の丘分校

楽しい秋みつけた!ま〜ったり自然と季節を満喫!
自然とアートを体験するよくばり企画

自然観察と竹スプーンづくり〜静岡の竹と漆を考える〜 @自然観察会
文=ほんだゆかり
さわやかな秋晴れ!有度山自然観察の取材に、ロードレーサーで颯爽と登場のはずが、山道に迷って遅刻ギリギリ。参加者の皆さん、勢ぞろいのところに滑り込みだった。あれ?子どもさんばかりじゃない?
「静岡科学館る・く・る」といえば「子ども」という固定観念があった。シニア男女から、若い男性、お母さん、小学生まで参加が多彩。定期的に行われている自然観察会と違って、今回は静岡市美術館との連携事業で、この日竹板を調達し、後日、それを削って作ったスプーンに漆を塗り、静岡の伝統工芸である"漆"と静岡の"竹"でオリジナルスプーンを作るワークショップだ。美術館で案内を手にとり、申し込んだ人もいて、多彩な顔ぶれとなった。 目指すは竹林!への道行きは、静岡県自然観察指導員会中部支部メンバー案内のもと、5、6人のグループに分かれ、三々五々歩き出す。が、「見てごらん。チカラグサ」どれどれ? よくみる雑草?「茎が丈夫で千切れないからね、こうやって、結んで(ニコニコ)いたずらしたんだよ」あはは、叱られそうなイタズラだけど、
なるほどー。チカラグサに屈み込んでいる間に「これは、お茶の木だな」傍らの藪で花をつけている木は「ツバキじゃないんですか?」「丸く刈り込んだのしか見たことないでしょう。お茶はツバキ科だから、まっすぐ伸びるとこうなるよ」へー!
ワークショップと講演会は親子それぞれに、その後のコンサートは一緒に楽しむこともできるのだ。
誰かが「見て!蜘蛛!」「ああ、女郎蜘蛛。メスは派手だけど、ここの小さいのがオス。食べられないように用心してる」「あ、とかげ!」「かなへび?」「わぁ、触れるの?」「ここ!トトロのトンネルみたい!」「いぬびわ、イチジクの仲間だけど不味いよ。食べてごらん」「かまきりー」、次々現れるオモシロサに、歩みは遅々として進まない。
たっぷり自然を満喫した後は、いよいよ竹を切り倒しスプーンの材料取り。
竹は2ヶ月くらいで一生分成長するのだそう。春から夏にかけては瑞々しく、春先に「竹の秋」を迎えて葉を落とすため、材料にするには水分の抜けた冬場に切り出すそうだ。竹藪から運び出したら、参加者それぞれ、ノコギリで切り、ナタで割る。
節が口にも手にも邪魔にならないよう、スプーンのくびれのすぐ下になるように調節して短冊状に。普段使い慣れない道具だけど、女性も子どももみなさん上手で驚いた。
しっかり乾燥させる時間が必要で、スプーン作りのワークショップは3ヶ月後、2日間かけて漆塗りのスプーンを完成させる。もちろん、山歩きと同じメンバーで、一緒に秋を満喫した時の、思い出話をしながらの作業が楽しみ。秋から冬にかけて長丁場の企画、ほっこり、ゆっくり、じっくりと静岡の自然と伝統を味わえそうだ。

ほんだゆかり

新聞編集や広告制作を経て、地元メディアで地域ポータルサイトの設計や運営に携わる。イベント主催、ビジネスプランコンテスト入賞、NPO設立アドバイザー、蕎麦食文化研究員、キモノdeおでかけ、ロードレーサー乗り等々。好奇心と行動力が尋常でない。
事業名 自然観察と竹スプーンづくり?静岡の竹と漆を考える? @自然観察会
日時 自然観察会:2014年10月25日(土)、竹スプーンづくり:2015年1月18日( 日)、2月1日(日) ※募集終了
会場 自然観察会:有度山(遊木の森)
概要 静岡市美術館と静岡科学館る・く・る企画展「しずおか自然体験ミュージアム」の連携事業。有度山の自然観察と、本漆で仕上げる竹スプーンづくりを通して、静岡 の自然と文化を知るプログラム。
講師 自然観察会:静岡県自然観察指導員会中部支部 竹スプーンづくり:静岡県立静岡北特別支援学校南の丘分校

静岡市葵区御幸町4-1アーバンネット静岡ビル4階 TEL:054-255-4746
土・日・祝日を除く日の午前8時30分〜午後5時30分まで
静岡市文化振興財団は本年設立20周年を迎えます。これを機に市民の皆様にさらに愛され親しまれる財団を目指し、当財団が管理運営する文化施設・生涯学習施設が連携し、「キニナルスキニナルプロジェクト」を実施することと致しました。 子どもから大人まで幅広い世代が参加でき喜んでいただけるように工夫をこらし事業を行いますので、皆様のご参加をお待ちしております。
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